身軽になって旅立つ

介護

食べなくてもいい

入所していた叔母が、食事を拒否するようになり、点滴をすることになったと施設から連絡が入った

ちょうど連絡の翌日が毎月訪問している日曜日だったので顔をだした

弱々しかったが、時折笑顔を見せて問いかけにも小さくうなずいてくれた

急変時の対応についての同意相談は、延命治療は望まずに施設の中で穏やかな看取りを希望

私の両親はいずれもがんや事故で病院でなくなったので、老衰での看取りは初めて・・

何時連絡が施設から来るかドキドキしながら毎日を過ごしていたが、翌週も顔を見に行ったら思いのほか顔色良く、先週と変わりないように見えた

「食べたいものない?」と尋ねると、小さく首を横に振った

点滴だけで数週間、しかも抹消からで・・人って生きていられるんだな・・と素直に驚いた

そして、これを機に老衰についていろいろ調べていた時に・・

「食べなくなるから死ぬのではなく、死ぬから食べなくなる」

との一文にハッとした

自分の死を受け入れ、その準備に不要な物をそぎ落として迎えを待つ・・身軽になって旅立つんだな・・と思った

叔母の表情は穏やかだった

連絡があってから毎週日曜日に訪問していた、3週目の日・・呼吸が遅く、目も閉じがちになったので、そろそろかな・・と思い部屋を後にした

その夕方から呼吸数が落ち、夜間に旅立ちの連絡を頂いた

苦しまずに、自然に呼吸停止・・

生きる事への執着が強すぎないよう、死ぬ時期に身軽にしていく方がいいな・・

人は死ぬ時に、生き様が分かると言いますもんね・・

叔母は、上品なピンクのスーツを着て颯爽と出勤していた・・目に浮かぶ・・キャリアウーマンの鏡

 

 

 

 

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